二世帯住宅を建てる一級建築士の奮闘

二世帯住宅を建てるため、親・嫁・姉弟の間を取り持つ一級建築士の奮闘録です。

台風で屋根が飛ぶ!?風荷重に対する住宅の設計とは。

台風 屋根 飛ぶ

 

こんにちは(^^)

 

台風が9号、10号と立て続けに接近していますね。

 

名古屋も久しぶりに朝から雨で、大きな雷の音も聞こえてきました。

 

最近では毎年のように聞く「過去最大」、「観測史上最大」に今年も襲われるのでしょうか。。。

 

九州の方は7月の豪雨の爪痕も残っているかと思いますが、お気を付けください(´・ω・`)

 

 

 

 

さて、今回も荷重シリーズでお届けします。

 

先回の「積雪荷重」に続いて荷重としては馴染みがある?「風荷重」についてお話ししようと思います!!

 

www.kmkm-st.info

 

住宅に対して、建築基準法の風荷重はどのように扱われているのか等を簡単にまとめていきますので、参考にしてください。

 

 

 

 

 

1.基準風速とは

 

風荷重を計算する上で重要なのが、基準風速です。

 

基準風速は、高さ10mに位置での10分間の平均風速を指します。

 

ニュースでよく聞く「最大瞬間風速」は、本当に一瞬の風速を指し、「基準風速(平均風速)」とは大分異なる数値であることを理解していただきたいです。

 

 

www.pref.aichi.jp

 

基準風速は、積雪荷重と同様に都道府県や市町村のHPから確認することが出来ます。

 

これを見ると、愛知県は30~34m/sです。

 

あれ?よく聞く最大瞬間風速って、40~60m/sくらいいきますよね??

 

私も、「台風の風速が45m/sみたいですが、うちの建物は大丈夫でしょうか」と、よく質問を受けます。

 

大体、最大瞬間風速45m/sであれば、平均風速で30~34m/s辺りですので大丈夫かと思います。

 

しかし、最大瞬間風速50m/sを超えると、愛知県の基準風速30~34m/sを超えてくるラインになります。

 

そこまでいくと、「想定外」と言う言葉を使わざるを得ないです。。。

 

ちなみに、沖縄県の基準風速は46m/sですので、全く問題無いです。

 

このように、地域性が大きく関わりますので、目安としては基準風速の1.5倍程度が耐えられる最大瞬間風速と考えてください。

 

 

 

2.地表面粗度区分(ちひょうめんそどくぶん)とは

 

こちらも風荷重を計算する上で重要なポイントになります。

 

建設地をⅠ~Ⅳのランクで区分したものを地表面粗度区分と言います。

 

明確に法律で決められているわけではなく、設計者の裁量で決定する場合が多いです。

 

簡単に分けると次のようになります。

 

Ⅰ:海、湖の近くで周りに建物が少ない土地。行政が指定した土地に限る。

Ⅱ:海、湖の近くで周りに建物が少ない土地。

Ⅲ:一般的な内陸部。

Ⅳ:都市化が著しい地域。行政が指定した土地に限る。

 

こちらもまた、都道府県や市町村のHPから確認出来ます。

 

ⅠからⅣに向かって風の影響が小さくなり、基本的にはⅡかⅢです。

 

ⅡとⅢの違いでも、風荷重は1.3倍程度変わります。

 

津波の危険もありますが、海岸・湖岸付近の土地を購入する場合は、風に対するリスクも高くなることを理解しておくとよいですね。

 

 

 

3.風に対する住宅の設計

 

それでは、実際のところ住宅の設計にどのように関わるかですが、

 

実はこれまでの話しはほとんどの住宅には関わりません!!

(本当は関わらないといけません、、、)

 

積雪荷重のときもそうでしたが、住宅の設計のほとんどが壁量計算のみです。

 

風で揺られる力は、基本的には地震より弱いため壁量が満足していれば問題無いという見解もありますが、平屋は違います。

 

地震は建物の重さに比例して強くなりますので、軽い建物は地震の負担が小さいのです。

 

よって、平屋は地震には有利だけど、風には不利と言うことになります。

 

そして、壁量計算は建物の重さに対して計算するので、風に対しては・・・ですね。

 

さらに見落としがちなのが、屋根です。

 

台風等の強風時に屋根が吹き上がる力はかなり大きく、こちらも計算されていないことがほとんどです。

 

計算していないので、屋根が飛ぶ可能性は大いにある。というか必然。。。

 

許容応力度計算を行っているようであれば、風に対する建物全体の計算と屋根の計算を行っているはずです。 

 

あまりフォーカスされませんが、我が家は耐風等級2として設計しており、建築基準法の指定より1.2倍の風荷重に耐えられることを確認しています。

 

壁量計算にしても許容応力度計算にしても、設計者に確認して不安を払拭するのが一番ですね。

 

 

 

 

いかがでしょうか。

 

建物と言えば、地震に対する被害がピックアップされがちですが、台風による風の被害も現実に起こっています。

 

家を計画する際には、土地選びと設計条件に風を考慮していただくと、より安全な生活環境が形成出来ますよ( ^ω^ )

 

www.kmkm-st.info

 

↑↑↑ハザードマップの確認も大事ですので、参考までに。

 

 

ではでは。